ミスマガフットサル(column)
ミスマガフットサルレポート
TV Bros.「サッカー馬鹿につける薬」で書いたコラムです。
大切なのは続けること
1月20日、ソニーマガジンズから発売された「ガールズ・フットサル」は、日本で初めての女性向けフットサルテクニック解説本だ。著者は福永泰。サッカーファンには、浦和レッズの10番を背負い活躍した選手時代の印象が強いだろうが、彼はパラレッズを率い全日本女子フットサル選手権を制した女子フットサル界有数の指導者でもある。現在、彼が監督を務めているのは埼玉県フットサルリーグ(男子)に所属するインペリオと、芸能人女子フットサルリーグ「スフィアリーグ」に所属するミスマガジンだ。
昨年6月に結成されたミスマガジンは18人の登録選手全員が講談社「ミスマガジン」にエントリーしたグラビアアイドルで構成され、スフィアリーグの中でもビジュアルではナンバー1といわれる華やかなチーム。
ただし、チームの運営はそう華やかなものではない。選手たちは売り出し中のアイドルで忙しく、所属事務所もバラバラ。チームに拘束力はなく、当然ながら本業が優先。練習はタレント活動の合間を縫っての自由参加だ。練習場は都内の体育館を転々とし、週1ペースのチーム練習に集まる選手は、多くて7、8人。少ないと3、4人。人数を集めるため、一般の女子選手と合同で練習を行うなど、試行錯誤を重ねている。
チームの中心選手は、攻撃の軸となるのが唯一のサッカー経験者である溝口麻衣、守備の要はキャプテンの立花彩野、そしてバスケ経験を生かしたスローと反応の良さに定評のあるGK時東あみの3人。ただし、溝口は関西在住、立花と時東は学生で、チーム練習に参加できる機会は限られている。
そんな中、チーム練習だけでなく、個人でもクリニックに通い積極的にフットサルに取り組んでいるのが、西田美歩、夏目理緒、中川愛海、中澤優子といった選手たちだ。皆、フットサルは初心者からのスタート。西田は、体を動かすのは陸上部だった中学時代以来。「体を張った仕事が多い」と笑う夏目も本格的にスポーツをするのはこれが初めて。スポーツ全般が苦手だった中川は、こんなにフットサルにハマっていることを自分でも不思議に思い、中澤は「サッカーは嫌いだった」と小さな声で過去形で言う。
ミスマガは結成から日も浅くまだあまり強いチームではない。ただ、このチームは、上手くなることももちろんだが、できる範囲の中で無理せず楽しみながら続けていくことを第一にチームの体制作りを進めている。フットサルの魅力は誰でも気軽にプレーできること。成年初心者の社会人にとって、大切なのは強くなる環境よりも楽しみながら続けていける環境だ。芸能人女子フットサルがフットサルの楽しさを広く伝えるものであるとするなら、チーム作りのお手本となるのはこのチームの方向性だろう。
あとはもう少し練習に参加する選手が増えてくれると良いのだが。
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