サッカー批評:アンケートご協力のお願い

サッカー批評編集部の方より、
アンケートに協力してもらえないでしょうか、
というお願いがありました。

できるだけ多くのサッカーファンの意見を
聞きたいということなので、
興味のある方は、ぜひご協力ください。

=====================

現在制作中のサッカー批評issue37(12月10日発売予定)にて
2007年の日本サッカー界を総括する特集を企画しており、
市井のサッカーファンの声を集計し、検証したいと考えております。

そこで、この特集の中でアンケートにご協力頂ける方を探しております。

下記に質問事項とアンケートの概要を記入させていただきますので、
ご検討いただければ幸いです。

【アンケート内容】

年齢:

性別:

応援しているチーム:


Q1 日本サッカー協会会長を務める川淵三郎氏を支持していますか?
答え:
簡単な理由:

Q2 日本代表監督を務めるイビチャ・オシム氏を支持していますか?
答え:
簡単な理由:

Q3 来年7月に川淵会長の任期が終わり、新しい会長が理事の互選により選任されます。あなたは次期会長を誰に務めて欲しいと思いますか?(会長は就任時に満70歳未満でなければならないため川淵会長は再任不可)
答え:
簡単な理由:

Q4 「JFA宣言2005」では2015年には日本代表は世界でトップ10のチームとなるという中期目標を掲げていますが、実現可能だと思いますか?
答え:
簡単な理由:

※質問にはすべてお答えいただかなくてもかまいません。

【回答いただきたい期日】
締め切りの都合上、11月12日までにお願いいたします。

【アンケート概要】
・アンケートの回答を掲載する場合は原則として原文のまま掲載。
・アンケートに関する個人情報は「年齢」「性別」「応援するチーム」のみ記載して頂き、回答とあわせて掲載いたします。

【回答方法】
アンケートにご協力頂ける方は、上記の項目に直接回答を記入し、
mori-t■recca.co.jpのメールアドレスまで送信ください。

■を@に置き換えてください。

以上。
アンケートにご協力頂き、誠にありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。

サッカー批評編集部

|

転居先のお知らせ

川本梅花のブログ版「フットボールのアフォリズム」告知編

ブログ転居先のお知らせ

読者の皆様

拝啓

すがすがしい風が青葉若葉を揺らす季節となりましたが、読者の皆様には日頃から格別のご厚情をいただき、深く感謝いたしております。

さて、かねてより建築中のブログがこのほどようやく完成し、このたび下記へ引っ越しました。

サッカーライター川本梅花のBLOG
川本梅花のブログ版「フットボールのアフォリズム」
http://kawamotobaika.cocolog-nifty.com/blog/

これまで住んでいたアクセス集中サイトの『サポティスタ』に比べると、読者のアクセス先がまったくの個人宅になってしまいますが、竹林に覆われた緑豊かなブログです。

お近くにお越しの際は、ぜひお気軽にお立ち寄りください。
お待ち申し上げております。

敬具

川本 梅花

|

ブログが嫌いなネット出身サッカーライター

川本梅花のブログ版「フットボールのアフォリズム」第十四回

−すべては『サポティスタ』から始まった−

僕はブログが嫌いだ。その理由は、僕の少年時代の苦い経験にまでさかのぼらなければならない。ある日僕は、日記を書くように母に勧められた。そして母は、書いた日記を自分に見せるように要求した。僕は、それを不自然だと思わず日記を母に読ませる。母は、僕の書く日記を楽しそうに毎日読んだ。そうしたことを繰り返していくうちに、僕は母が喜ぶようにだんだん嘘を書き出した。

「今日、誰々君がこんなことをしました。それはいけないことだと思いました」。その「いけないことをした誰々君」は、他でもない僕自身だったのだ。
日記を読むという母の行動は、何をやっても三日坊主だった僕を見かねて、持続力を付けさせるための発案だったのだろうが、結局それは一ヶ月ももたなかった。母に迎合して書いてしまう自分が、嫌になってしまったのだ。それと母が、僕の嘘を見透かしているように感じて、耐えられなくなってしまった。それ以来僕は、日記を書くことが苦痛になって辞めてしまった。

僕はブログが嫌いだ。それは、嘘の日記を書き続けた少年時代の僕を思い出してしまうからだ。ブログが、個人日記の公開だとすれば、読む人を前提に書くことになる。もちろん、ハンドルネームという匿名性が、書き手に自由を与えて嘘を書かなくてもよい状況が生まれるのかもしれないが、けれどもこの匿名性は、実際の本人の人格とは別の人格を作ってしまうことになる。つまり眠っていて隠れていた人格を表に出すことになってしまうのだ。

と、僕の妄想はこれくらいにして、先日、ここ『サポティスタ』の編集長、岡田康宏氏と食事をした。久しぶりに行ったタイ料理屋は、内装が新しくなって見違えるように奇麗になっていた。彼と会うのはこれが二度目だ。僕は、ジュネーヴに長く住んでいたので、サポーターやサッカーライター、編集者に今までほとんど会ったことがない。彼らとはすべてメールでのやり取りだった。

岡田氏と話をしていて、僕はあらためて気づかされたことがあった。僕は、典型的なネット出身のサッカーライターであるということだ。典型的というよりも、「ネット出身サッカーライター」そのものなのである。なぜならサッカーに関する紙媒体での執筆は、海外サッカー週刊誌『フットボリスタ』に今年1月から始まった連載が最初の仕事だったからだ。

僕がサッカーについて書き始めた場所は、ここ『サポティスタ』だった。あれは2002年頃だったので、いまのようにブログ全盛時代ではなかった。僕はサッカーのことを書きたくて、「サポティスタコラム」のコーナーに週二回以上のペースで投稿した。だから「サッカーを書く」という僕の出発点は、『サポティスタ』から始まったのだ。

そしてこのように、ブログ版「サポティスタ」で再びコラムを書いているのだが、諸事情により「とうとう、初めて、いまさら」ながら個人ブログをもつことになった。行き先は、「ブログ転居先お知らせ」告知編に書かれている。

ところで岡田氏と僕は、川本梅花のブログ版「フットボールのアフォリズム」のアクセス数がどれくらいあるのかという話になった。「ココログブログ」の総合デイリーランキングで、このブログは昨日22位だった。アップされた翌日のランキングは、常に20位前後を行ったり来たりしている。20位が一日どれくらいのアクセス数かといえば約一万アクセスある。これをどう評価するればよいのかわからないのだが、少なくとも『サポティスタ』のトップ画面で紹介してもらっていることが、このアクセス数に繋がっていると思う。

僕は、たくさんの読者に「選手の生の声」や「書き手の生の声」を届けたくて、ここで何度か書かせてもらった。次からは僕自身のブログの中で、「生の声」を書き続けようと思う。そして先日、自覚したことがあった。それは僕が、ネット出身サッカーライターであるという事実に無自覚だったことなのだ。

文/川本 梅花

|

『サッカー批評』を批評してみよう

川本梅花のブログ版「フットボールのアフォリズム」第十二回

『サッカー批評』はどこへ向かっているのか

僕は、書き手としてどうしても執筆したいと願っていた雑誌がある。それは、サッカーライターとして季刊誌『サッカー批評』(双葉社)に、またソシュール研究者として月刊誌『思想』(岩波書店)に記事を書きたいとずっと思っていた。今年になって、その願いが二つとも実現する。まず『サッカー批評』だが、前回のブログで書いたように、6月発売号から西村卓朗(大宮)を巡るJリーガーたちの物語を連載する。そして『思想』の方は、言語学者ソシュールの生誕150年を記念して、今年の秋発売予定の特集号に論文を掲載する。

僕のあこがれの雑誌、『サッカー批評』は、編集長が森哲也氏にバトンタッチされたことによって、バックスタンドからサッカーを見る視点が取り入れられ、以前よりも読者の近くに雑誌のスタンスがある。それでもこの雑誌には、創刊当時から変わらないものが存在する。それは、記事の内容の「深さ」を読者に提供しようとする編集方針だ。

『サッカー批評』と他誌の違いを、僕はこんな風に見ている。

新聞
『エルゴラッソ』・・・・・・ニュースを提供する
週刊誌
『サッカーマガジン』、『サッカーダイジェスト』
・ ・・・・・・・・・・・ニュースの元になった出来事を提供する
隔週発刊誌
『ナンバー』・・・・その出来事をもたらした動機を提供する
季刊誌
『サッカー批評』・・・・・その動機を生みだした衝動を探る

僕のこの見方は、それらの雑誌の記事を細かく検討していけば、この区分に当てはまらないものもでてくるかもしれない。けれども、大きな枠組みで各々の雑誌を捉えればこういう分け方もできるのではないかと思う。

そこで『サッカー批評』の場合、雑誌のひとつの特長は季刊誌であるということだ。三ヶ月に一度の発行が、編集方針でもある記事の内容の「深さ」を可能にしている。だから、『サッカー批評』と他誌は、明らかな違いがある。何かの出来事があって、その事をもたらした動機が存在し、その動機を生みだした「衝動」まで探れて、それによってサッカーに関わる人間の内面を深く見せられる点だ。

こういうスタンスの雑誌は、もちろんコアでマニアックな読者たちによって支えられている。だから彼らは、雑誌に対してそれぞれきちんとした意見をもつ。たとえば、今号(issue 33)の編集後記の中で、森編集長がこんなことを書いている。

「前号の特集タイトルについて、読者の方から「オシムを殺すな」は行き過ぎだという指摘を受けた」

そして今号(issue 34)のタイトルは、「「Jリーグはつまらない」なんて誰が言った?」である。読者は、このタイトルを見てどう思ったのだろうか。「Jリーグがつまらないと思っているのはマスコミの方だろう」と思った読者が、もしいるならば、それは森編集長と編集部の意図することなのだ。

このような「行き過ぎた」と言われたタイトルは、マスコミである『サッカー批評』によるマスコミ批判なのである。さらに、『サッカー批評』の読者ではない人々に対するメッセージであるとも読める。それは、タイトルの一語を、「サッカー批評」に置き換えれば見えてくる。

「オシム サッカー批評を殺すな」
「「Jリーグ サッカー批評はつまらない」なんて誰が言った?」

これは、新編集長になった森氏の雑誌に対する意気込みであり、読者の深層心理を揺さぶる言葉のようにさえ思える。だから、次号の『サッカー批評』を手に取る読者は、まず雑誌のタイトルに目をやって欲しい。そうすれば、この雑誌がどこへ向かっているのかが窺い知れるはずだ。

文/川本 梅花

プロフィール
本名:川本暢(かわもと みつる)。サッカーライター、ソシュール研究者。フランスフットボールをこよなく愛する。ジュネーヴ大学時代にWEB『スポーツナビ』で執筆活動を始める。本年より4年ぶりに海外サッカー週刊誌『フットボリスタ』にて活動を再開。

4月25日発売『スポルティーバ』(集英社)に、オシムの会見に関するコラムを執筆。
4月25日発売号『フットボリスタ』(スクワッド)に、映画『GOAL!』を批評した連載コラム「フットボールのアフォリズム」を執筆。

| | Comments (94) | TrackBack (3)

森勇介さんの政見放送

1 :水先案名無い人:2007/03/28(水) 23:43:58 ID:HHB+J7tt0●
YouTube - 外山恒一の政見放送 [2007/03/25]
http://www.youtube.com/watch?v=ccwpbsJsWvM

ニコニコ動画(γ) | 外山恒一の政見放送 [2007/03/25/テレビ朝日]
http://www.nicovideo.jp/watch/sm67556

スクラップ&スクラップ!

653 :水先案名無い人:2007/04/16(月) 18:39:56 ID:MIV2n3Iz0
日本代表候補川崎フロンターレ所属 森勇介26歳
清水エスパルスジュニアユースを出発点に異端的右サイド活動家となり、
いまどき警告王としてベガルタ仙台を解雇され、現在に至るも反体制プレイヤー
では続いて、森勇介さんの政見放送です。

サッカーファン諸君、私が森勇介である。
諸君、この国の代表チームは最悪だ。
走るサッカーだとか考えるサッカーだとか、私はそんな事には一切興味が無い。
あれこれ改革して問題が解決するような、もはやそんな甘っちょろい段階にはない。
こんな代表チームはもう見捨てるしかないんだ、こんな代表チームはもう滅ぼせ。
私には、建設的な提案なんかひとつも無い。
今はただ、イエローカードアンドイエローカード。すべてをぶち壊すことだ。
諸君、私は諸君を軽蔑している。
このくだらない代表チームを、そのスターシステムを、支えてきたのは諸君に他ならないからだ。
正確に言えば、諸君の中の頭脳派は私の敵だ。
私は諸君の中のDQN派に呼びかけている。
DQN派の諸君、今こそ団結し立ち上がらなければならない。
奴等頭脳派はやりたい放題だ。
我々DQN派がいよいよもいって生きにくい世の中が作られようとしている。
DQN派の諸君、代表合宿で何かが変わると思ったら大間違いだ。
所詮代表合宿なんか頭脳派のお祭りに過ぎない。
我々DQN派にとって代表合宿ほど馬鹿馬鹿しいものはない。
ミニゲームで決めれば、ビブスの色を理解している方が勝つに決まってるじゃないか。

654 :水先案名無い人:2007/04/16(月) 18:42:19 ID:MIV2n3Iz0
じゃあどうして代表候補に選ばれたのか。
その話は、私もわからないからオシム監督のコメントを見てくれ。
オシム監督は二人いるから、父親のほうのコメントを見るように。
私は、この代表チームの、DQN派に対する迫害にもう我慢ならない。
DQN派の諸君、頭脳派を説得することなど出来ない。
奴等頭脳派は我々DQN派の言葉に耳を傾ける事は無い。
奴等頭脳派が支配する、こんなくだらない代表チームはもはや滅ぼす以外に無い。
改革なんていくらやったって無駄だ。
今進められている様々な改革は、どうせ全部すべて奴等頭脳派のための改革じゃないか。
我々DQN派はそんなものに期待しないし、勿論協力もしない。
我々DQN派はもうこんな代表チームに何も望まない。
我々DQN派に残された選択肢はただ一つ、こんな代表チームはもう滅ぼすことだ。
ぶっちゃけて言えば、もはや協会転覆しかない。
DQN派の諸君、これを機会に協会転覆の恐ろしい陰謀を共に進めていこうではないか。
ポスターに連絡先が書いてあるから合宿中でも、終わってからでも構わない。
私に一本電話を入れてくれ。
もちろん代表選出のないJ2の諸君や、国内サッカーファン以外の諸君でも構わない。
我々DQN派には日本代表なんかもともとぜんぜん関係ないんだから。
最後に、一応言っておく。
私が代表に定着したら、奴等はビビる。
私もビビる。
森勇介に悪意のパスを、森勇介にやけっぱちのパスを、じゃなきゃサッカーなんかするな。
どうせ合宿じゃ何も変わらないんだよ。

川崎フロンターレ所属、森勇介さんの政見放送でした。


[外山恒一の政見放送のガイドライン]より
http://ex20.2ch.net/test/read.cgi/gline/1175093038/653-654

| | Comments (300) | TrackBack (4)

『フットボリスタ』でボツにしたコラム

川本暢のブログ版「フットボールのアフォリズム」第九回

−僕が自分の手で掲載しなかった原稿−

海外サッカー週刊誌『フットボリスタ』の4月18日発売号から、フランスサッカー事情を記したコラム「ディスクールで綴るフランスフットボール事情」が始まった。前回のこのブログで報告した通り、雑誌に掲載された原稿は、書いた二本目のものであり、一本目の初稿は、少し視点を変えて書いている。発売された雑誌の記事と、このブログで今回公表する記事とを読み比べるのも、面白い試みかと思って、このような形でボツにした原稿を公表することにした。ちなみに、校正を担当してくださった木村編集長は、初稿も気に入っていると話してくれていた。

『フットボリスタ』連載コラム ボツ原稿編
「ディスクールで綴るフランスフットボール事情」
第1回
メクセス、欧州中から注目を集める25歳
文/川本 暢

CL決勝トーナメント1回戦、リヨンが ローマに破れて準々決勝への道が閉ざされた日、フランスサッカー界は大きな失望に包まれた。そして同時に、フランス人の多くはリーグ1、6連覇を目の前にした「あのリヨンでさえ勝てないのか」、と将来に対して諦めにも近い心境になっただろう。さらに、リヨンのこの敗退は、リーグ1で活躍する何人かの選手たちに、「フランスでプレーしていても」という焦りに近い心境を誘い、他国リーグへの移籍を決心させるきっかけになるかもしれない。

事実、リヨンのMFフローラン・マルダやDFエリック・アビダル、マルセイユのMFフランク・リベリー、ボルドーのMFリオ・マヴバなどが他国のビッククラブに移籍するのではないか、と噂になっている。

■ローマは当然否定するが…
移籍話ということで言えば、今や欧州中から最も注目を集めているフランス人がいる。3月30日に誕生日を迎え25歳になったフィリップ・メクセスは、彼が所属する ローマを今シーズン限りで旅立とうとしている。メクセスが向かう候補地は、イタリアならユベントス、ミラン、インテル。スペインならレアル・マドリー、バルセロナ。イングランドならマンチェスターU、リバプール、アーセナル、チェルシー、トッテナムが噂に上がっている。

サッカー界の移籍に関する噂は、世間で言われる噂の中で最も真実に近いものである、と僕は思っている。「火のない所に煙は立たない」という格言は、サッカー界の移籍話にこそ、ぴったりと当てはまる表現なのだ。当事者である選手や関係者が、移籍の噂を否定すればするほど反対にその信憑性が増し、水面下で話が進んでいる証拠のように見えてしまう。

メクセス移籍の噂に関して、スパレッティ監督は「我われは彼を放出したくない。どこかのチームが獲得を狙っているかもしれないが、売却は不可能だ。ここでは数々の噂を耳にしている」と断固拒否の姿勢を見せる。しかし、ローマが置かれたクラブの現実を見れば、メクセスをチームに引き止める材料が何もないのである。

周知の事実だが、ローマはメクセスと契約延長するだけの資金力を持っていない。それでもクラブ側は、なんと2013年まで5年間もの契約延長を申し出た。この提案を解く鍵は、来年6月でローマとメクセスとの契約が切れる点にある。つまりローマは移籍金ゼロでの放出を何としても防ぎたかったのだ。

■ペナルティを与えられた過去
メクセスと彼の代理人オリビエ・ジュアノーは、移籍問題で過去に苦い経験をしている。それは、メクセスが2004年にオセールからローマに移籍する際の話だ。彼の代理人は、オセールとの契約がまだ2年残っている状態で、ローマとの契約を優先してしまった。それに怒ったオセールは、契約期間内に一方的に契約を破棄したという理由で、FIFA に異議申し立てをする。FIFAはローマへの移籍を承認しながらも、オセールへの賠償金支払いを要求。また、メクセスに対しても6週間の出場停止を言い渡した。これを不服としたローマは、スポーツ調停裁判所(TAS)へ控訴する。その結果、ローマの控訴は棄却され1年間の選手獲得禁止の処分が下されるとともに、700万ユーロ(約11億円)をオセールへ支払うこととなった。また、代理人ジュアノーに6カ月の活動停止処分が与えられた。メクセス側はこれに懲りたはずだから、今回の移籍に関して慎重に事を運ぶはずだ。

メクセスが、今ローマを離れるためには最低1050 万ユーロ(約17億円)の移籍金(契約解除金)が必要だと伝えられる。そうした中で、昨年9月にイタリア、イングランド、スペインのクラブが、すでに代理人と会っていたと言う。最初にアタックしたのが、元フランス代表キャプテンのデシャン率いるユベントスだった。次にコンタクトを取ったのは、アーセナルである。5年契約とローマの2倍のサラリーを提案した。そして、レアル・マドリーが、フランコ・バルディーニを連れて交渉の席に着いた。バルディーニは、2004年にローマのスポーツディレクターを務めていて、彼がメクセスをイタリアに連れて来た人物だと言われている。

■代表デビュー戦での謙虚な言葉
メクセスが、代表デビューを果たした2002年8月21日、対チュニジアとの親善試合後の彼の言葉を、僕はメモに残していた。
「フランス代表ですか。ああ、そうだった、というくらいの意識です。僕は実績がほとんどないままユース代表に選ばれたんです。だからA 代表に呼んでほしい、と主張するのはおこがましい。目下のところはユース代表を継続したい。つまり僕には、まだ学ぶべきことがたくさん残っているのです」と当時20歳の彼は話してくれた。

あれから5年経った今、長身(187cm)を生かしたヘディングでの競り合いの強さや、セットプレーの際の得点力、さらに、ラインコントロールの巧みさなど急成長を遂げた。まさに欧州のビッククラブが、メクセスの確かな実力を見込んで彼を奪い合おうとしている。あの頃の、幼さを表情にたたえた彼の笑顔を思い出すと、僕は、何だか感慨深いのだ。

川本 暢(サッカーライター、ソシュール研究者)

| | Comments (164) | TrackBack (0)

『フットボリスタ』にて新連載

川本暢のブログ版「フットボールのアフォリズム」第八回

−書き換えた原稿、
    連載タイトル「ディスクールで綴るフランスフットボール事情」−

海外サッカー週刊誌『フットボリスタ』で、僕は、サッカーに関する映画や本の批評コラム「フットボールのアフォリズム」を連載している。この他に同誌で、4月18日発売号からフランスサッカーのリーグ1や、フランス人のサッカー選手の話題をテーマにした新連載が始まる。タイトルは、「ディスクールで綴るフランスフットボール事情」と言う。

タイトルにあるフランス語の「ディスクール」とは、言語学で使われる専門用語で「談話」という意味。したがって、「ディスクール」とは、日常語や日常の談話に近い言い回しを使った文章の様式のことを指す。だから、コラムは、自分が自分に話かけるように、自分と談話したものを書き記している。

第1回は、「 タレントの海外流失とメクセス」というタイトルで、ローマのフィリップ・メクセスを取り上げ上げた。メクセスが、まだフランスリーグにいた時、僕は、何度もオセールに試合を見に行った。あの頃のオセールは、シセやブームソンがいて、チームも上昇気流に乗っていた。若かったチームは、未完成と言うか、不完全さがあって、とても美しかった。僕は、不完全なものこそ、美しいのだと知らされた。

実は、第1回のコラムは二つ存在する。一つは、新しい情報を中心に書いたもの。もう一つは、リーグ1やメクセスに思いを込めて書いたもの。僕は、まず書いたコラムを、木村編集長に送った。その際に、「コラムの出来は、どうですか?」と記した。彼は、こんな返信をくれた。
「コラムのトーンですが、もっと意見表明や感想、思いなどが入ってもいいですよ。記事よりもさらにニュートラルでないもの、情報自体よりもそれをこの人がどう見ているのか、という観点が注目され、読者に要求されていますから」

そこで僕は、フランスリーグ1や、メクセスがオセールに在籍していた頃を懐かしみながら、思い入れたっぷりに文章を書き換えた。その書き換えた原稿が、4月18日発売号に掲載される。ボツにした原稿は、次回のこのブログで公開します。読者は、どちらが気に入ってくれのだろうか。

川本 暢(サッカーライター、ソシュール研究者)

『フットボリスタ』新連載コラム

「ディスクールで綴るフランスフットボール事情」
第一回 タレントの海外流失とメクセス

| | Comments (189) | TrackBack (0)

木村浩嗣氏と作る2000字の世界

川本暢のブログ版「フットボールのアフォリズム」 第六回

『フットボリスタ』編集長、木村浩嗣氏と作る2000字の世界

海外サッカー週刊誌『フットボリスタ』の中に、「fb calture(footballista calture)」というコーナーがある。その場所で僕は、「フットボールのアフォリズム」というタイトルで、サッカーに関する映画や本の批評を連載(隔週)している。

4月11日発売号(p.28)では、ドキュメンタリー作品『引き裂かれたイレブン~オシムの涙~』を取り上げた。この連載コラムの中で、作品批評に関連して「オシム監督が述べる言葉」についても触れている。3月24日に日産スタジアムで行なわれた、日本対ペルー戦の試合後の監督会見で、オシムと記者の質疑応答から得た、彼の言葉の中にある「笑い」について書いている。さらに、実際に監督会見に出席した僕は、会見場の空気を伝えながら、オシムの印象を連載コラムで述べている。

サッカーに関する映画や本の批評コラム「フットボールのアフォリズム」が、記事として完成するまで、僕と木村編集長とのダイレクトパスの交換のようなやり取りが何度も行なわれる。まず、僕が書いた原稿を、彼が校正する。次に、校正された原稿を僕が確認し、さらに、それに手を入れる。再び、彼が、原稿を読み直して、記事としての価値を高めるために、気になった箇所についてメールや電話で直接やり取りをする。

僕は初稿を書き終えたら、同時にタイトルコピーを付ける。たとえば、今週の『引き裂かれたイレブン~オシムの涙~』の場合、僕は「オシム、絶望のあとには希望しかない」と記す。そのコピーの下に、木村編集長が、原稿を読んでイメージしたコピーを書いてくれる。今回の彼のコピーは、「「笑い」の底にある生活、「サッカー」の裏にある戦禍」である。

彼が原稿を読んで、どんなコピーを付けて返してくるのかを、僕は、毎回楽しみにしている。読者も、雑誌を手にした時に、コラムの中の最初のコピーは僕が付けたもので、その下に記されたコピーは、彼の文だと知って本文を読むと、この連載コラムが、サッカーでいうパスの交換のように、二人のコミュニケーションから作られた作品である、ということが見えてくるだろう。

連載コラムの原稿の字数は、2000字なのだが、その中で、読者に対してどのように面白い批評の世界を提供するのかを、僕は電車に乗っている時でも、信号待ちしている時でも、どんな所にいても、いつも考えながら日常を過ごしているのだ。

川本 暢(サッカーライター、ソシュール研究者)

『フットボリスタ』連載のタイトル、書き手と編集長のコピー文。
川本暢の「フットボールのアフォリズム」

(第六回)2007年4月11日発売号
『引き裂かれたイレブン~オシムの涙~』
川本 暢:「オシム、絶望のあとには希望しかない」
木村浩嗣:「「笑い」の底にある生活、「サッカー」の裏にある戦禍」

(第五回)2007年3月28日発売号
『ジダン 神が愛した男』
川本 暢:「『21世紀の肖像画』を記憶に刻み込め」
木村浩嗣:「心の中で投影された映像としてジダンは成長を続ける」

(第四回)2007年3月14日発売号
『少林サッカー』
川本 暢:「すべての映画は恋愛映画である」
木村浩嗣:「「あり得ない」の連発。が、自己愛なくして他者への愛はない」

(第三回)2007年2月28日発売号
『ぼくのプレミア・ライフ』
川本 暢:「叙事詩のようにフットボールを語れ」
木村浩嗣:「魂との対話が選んだ「大バカ者=愛を語る者」という自分」

(第二回)2007年2月14日発売号
『ベッカムに恋して』
川本 暢:「ボールが神に向かって飛んでいくように」
木村浩嗣:「奇抜なもの、不思議な軌道が行き着く先」

(第一回)2007年1月31日発売号
『サッカーの敵』
川本 暢:「存在は出口をもたない」
木村浩嗣:「クーパーは突き詰めたからこそ啓蒙を放棄した」

| | Comments (364) | TrackBack (0)

「フットボールのアフォリズム」

川本暢のブログ版「フットボールのアフォリズム」 第四回

「フットボールのアフォリズム」
        思考の新しいスタイルを創るために

僕は、海外サッカー週刊誌『フットボリスタ』(スクワッド)に、サッカーに関する映画や本の批評を、「フットボールのアフォリズム」というタイトルで連載している。4月11日発売号で、ドキュメンタリー作品『引き裂かれたイレブン〜オシムの涙〜』を取り上げた。この作品は、イビチャ・オシムが当時監督をしていた旧ユーゴスラビア代表チームの話である。チームが、民族紛争に巻き込まれ、引き裂かれてしまった事件を、映像とインタビューで振り返る。

僕は、相当に気合いを入れて執筆したので、『フットボリスタ』を買って読んでもらえたら嬉しい。是非とも、よろしくお願いします。

「フットボールのアフォリズム」という連載は、サッカーを題材にした映画や本の内容を紹介するだけではない。取り上げた映画や本を、このような鑑賞の仕方や読み方があるのか、といった思考の新しいスタイルを提示したいという意気込みで書いている。

「フットボールのアフォリズム」には、「まえがき」と言える文章があった。しかし、この文章は、原稿の字数の関係上、自ら削除したものだ。それをここで発表することで、連載記事の目的と僕の意欲を明かしたい。

「映画や本の中には、いくつものメッセージが込められている。そのメッセージは、まず、監督やカメラマン、脚本家や演技者、作家や編集者が創りだす。次に、彼らの声を読もうとする受け手たちがいる。それが、読者である僕たちだ。映画や本から送られるメッセージを、受け手の僕たちは、新しい自分の思考でもって創りかえて行くことができる。既存のメッセージなど、映画や本の中には何一つ存在しない、と思ってよい。どんな作品でも、世に出された瞬間に、もはや作家の手を離れて、読者の手中にあるはずだ。なぜならば、言葉を書くという行為は、書いた言葉を捨てて行くのと同じ行為だからだ。だから、捨てられた言葉は、誰かによって拾われるのである。拾った言葉を、新しく創りかえていくことができるのが、僕たち読者である。したがって、どんな読者であっても、その人なりの新しいメッセージを創り出すことができる。映画や本の中でのメッセージは、無限で増殖可能だ。もし読者の君ならば、この映画やこの本が送りだすメッセージを、どのように創り出すのだろうか。僕ならば、こうやって創り出すのだと、「フットボールのアフォリズム」の中で、告白することにしよう。」

この連載で取り上げる映画や本の題材が、サッカーでなければ、僕にとって意味がない。なぜならば、サッカーを題材にした映画や本を、作品としてきちんと捉えて、その善悪・優劣・是非などについて考えて評価すると言った、批評記事を見かけたことがないからだ。

僕は、サッカー雑誌やスポーツ雑誌を手に取って、いつも思うことがある。本当に、読者は、こういう記事を望んでいるのかと。読みたい記事は、もっと違う内容ではないのかと。そう思っているのは、僕だけなのだろうか。

川本 暢

『フットボリスタ』連載コラム
川本暢の「フットボールのアフォリズム」

(第一回)2007年1月31日発売号
『サッカーの敵』

(第二回)2007年2月14日発売号
『ベッカムに恋して』

(第三回)2007年2月28日発売号
『ぼくのプレミア・ライフ』

(第四回)2007年3月14日発売号
『少林サッカー』

(第五回)2007年3月28日発売号
『ジダン 神が愛した男』

(第六回)2007年4月11日発売号
『引き裂かれたイレブン〜オシムの涙〜』

| | Comments (155) | TrackBack (1)

『スポーツナビ』のある編集者との思い出

川本暢のブログ版「フットボールのアフォリズム」 第三回

『スポーツナビ』のある編集者との思い出

僕が『スポーツナビ』に執筆していたのは、2002年8月から2003年6月までの10カ月間だった。当時の僕は、どこにいてもどんな時でも、サッカーの戦術の面白さや選手の特徴的なプレーを、どうやって言葉で表現したら、より読者に興味深く読まれるのだろうか、といつも考えていた。だから、あの頃の僕は、それを実現するために、来る日も来る日もサッカーに関して書き続けた。

『スポーツナビ』での僕の担当は、I編集者だった。僕は、自分がどういう書き手なのかを彼によって悟らされた。さらに、書き手として向かうべき方向性は彼によって与えられた、とさえ言える。最も印象に残っている僕と彼との共同作品は---これが『スポーツナビ』での最後の仕事になったのだが---ドイツでプレーする日本人選手たちを取材した「コミュニケーションがサッカーを進化させる-ザールブリュッケンからの風-」である。当初、この企画は、選手たちが無名であったことと、僕が日本人選手を取材し、フィクションとして文章にするのが初めてだったことなどの理由から、一人か二人の選手だけを記事にするはずだった。

しかし、第一回目の記事を読んだI編集者は、「何人の選手を取材して記事にしたいのか」と僕に尋ねて来た。僕は、「5人の選手を記事にしたい」と告げると、彼は「わかりました。思う存分に書いて下さい」と言って来た。想像するに、I編集者は、実績のない僕に記事を書かせようとして、色々な面で相当に苦労されたのだと思う。だから僕は、彼の期待に答えるためにも、「もうこれ以上は書けない」と思えるまで自分を追い込んで、覚悟をもって取材し執筆したのだった。

実を言えば、僕は、ザールブリュッケンにいる選手たちの記事を書いた後で、本当に「何も書くことができなく」なってしまったのだ。僕は、取材中に、選手たちの苦悩という内面に抱える問題に深入りしすぎて、そこから出られなくなってしまった。つまり、僕は、選手たちの様々な苦悩を覗き込むうちに、僕自身の内面を僕が深く見ることになってしまったのだ。だから、記事の最後に「むすび」を書くようにI編集者から依頼されても、僕は何も書かなかった。 

こうして執筆活動を再開するまで、結局4年以上も費やしてしまう。今でも思い出すのは、あの時誠実に自分を語ってくれた何人かの選手たちと、根気強く僕を導いてくれたI編集者のことだ。

僕は、サッカーに関して書くことに、やり残したことがたくさんある。だから、文字ひとつひとつを大切にして、僕の視点でもって、再びサッカーに関して書いて行こうと決心をしたのである。

川本暢

以下は、『スポーツナビゲーション』で執筆した記事。 
川本暢の「欧州サッカー徒然的視線」

2003年6月
「コミュニケーションがサッカーを進化させる-ザールブリュッケンからの風-(5)」

2003年6月
「コミュニケーションがサッカーを進化させる-ザールブリュッケンからの風-(4)」

2003年6月
「コミュニケーションがサッカーを進化させる-ザールブリュッケンからの風-(3)」
 
2003年5月
「スタジアムへ向かう喜びと悲しみ」(スイス対イタリア)

2003年5月
「コミュニケーションがサッカーを進化させる-ザールブリュッケンからの風-(2)」
 
2003年4月
「コミュニケーションがサッカーを進化させる-ザールブリュッケンからの風-(1)」
 
2003年2月  
「コンフェデ抽選会報告とフランス代表への幻想」(フランス対チェコ)
 
2003年2月
「光を探し求めるパリ・サンジェルマン」(パリ・サンジェルマン対モンペリエ)

2003年1月  
「中村俊輔に足りないものは何か」(レッジーナ対ユベントス)
 
2002年11月 
「フランスのスタジアムに抱かれる「幸福」と「憂鬱」」(フランス対ユーゴスラビア)(パリ・サンジェルマン対ナント)
 
2002年10月
「ミランの戦いを占うボランチ、ピルロへの期待」(ミラン対バイエルン)
 
2002年9月
「引き裂かれたキプロス、キャプテン不在のフランス」(フランス対キプロス)
 
2002年8月  
「夏の終わりを告げる、UEFAカップ最終予選と欧州スーパーカップ」
(FCセルヴェット対スパルタク・イェレバン)
(レアル・マドリー対フェイエノールト) 

| | Comments (209) | TrackBack (0)

その他のカテゴリー

etc ミスマガジン